トーキョークラブ





それは、雲ひとつない、気持ちの良い晴天の昼下がりのこと。



結衣が突然俺の目を見て言った。





「退学届出してきたの」




吸い込まれそうな栗色の瞳を見て、俺は思わず頬張っていたやきそばパンを喉に詰まらせてしまった。


慌ててペットボトルの烏龍茶を流し込む。



「えっ、ちょっと、あの…。マジで言ってる!?」



動揺を隠しきれない俺を見てか、クスッと笑って結衣は頷く。




「うん、マジで言ってる。あたしが嘘なんて吐くわけないでしょ」


「いやいやいやいや!なんでだよ?なんで退学なんか…」



中庭に吹き込む風が
なんだか異様に冷たく感じる。



「理由は分からないの。あたしにも、分からない。なんとなく充電が必要な気がして」



俺は、言葉を詰まらせた。





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