トーキョークラブ





「こんばんは、THE EIGHTYsです」



洋介のセクシーな声での挨拶に、観客の歓声でライブハウスが揺れた。




その直後、潤の攻撃的なギターリフと共に響くバスドラムの爆音。


あたしは快感に浸りながら、ベースのアルペジオをゴリゴリと鳴らしていく。それに乗せる洋介のシャウト。




オルタナティブ。


あたしは次々と展開していく照明の演出に目を眩ませながら、目の前で笑顔で拳を上げて楽しむオーディエンスを煽る。




楽しい。快感。


体中に電気が流れていくみたいに、あたしはベースを弾きながらその痺れを楽しむ。





こうして、あたしたちTHE EIGHTYsの初ワンマンツアーの幕は開いた。



そしてめくるめくように
各地でのライブを成功させていった。


地方のライブでも、インディーズバンドであるTHE EIGHTYsのことを応援してくれているファンのおかげで大盛況だった。





< 167 / 176 >

この作品をシェア

pagetop