今宵…甘ったるい幸福の中で
「ずっと忘れらんなかった」

「え」

「それが俺の気持ち…」


真っすぐ雛を見つめる洋介。

「そ、そんな事言われても…」

雛は目を逸らした。

「今日合コン参加して良かった」

「先輩すごい不機嫌でしたょね」


「乗り気じゃなかったんだよ」

また二人は暫く黙り込んだ。

雛は空を見上げて月を眺めていた。
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