月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
あたしは湯月くんにメールを見せた。

『放課後時間あるか? 話がある 達郎』

湯月くんはメールの差出人の名に反応した。

「達郎って…達郎さんのことだよね?」

「その達郎以外何者でもないわよ」

達郎兄ちゃんはあたしの従兄弟。

高校を卒業してすぐ海外へ留学。

帰国後に改めて大学へ入り直した現役大学生。

父親は警視総監、兄は警視正という司法一家に育ち、本人も人並み外れた推理力の持ち主。

民間協力員という立場のもと、いくつもの難事件を解決している。

二か月ほど前、中学卒業を目前に控えたあたしは、暗号めいた奇妙な手紙を受け取った。

それに加えて様々なトラブルにも見舞われたのだが、それらすべてを解決してくれたのが達郎兄ちゃんだった。

ちなみにその奇妙な手紙の差出人が湯月くんで、告白されたのは、その手紙を解読したからで…。

その手紙は…まぁそんなワケである。

だからあたしたちにとって、達郎兄ちゃんは特別な存在なのだ。

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