平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)
 渋谷についてからも、平ちゃんと手を繋いで回っている。


 コートを手にとり、平ちゃんとあーでもない、こーでもない、なんて言いながら楽しい時間を過ごしていた。


 だったはずなのに。


「堀木戸先生~!」


 女の子三人組が声を掛けてきた。平ちゃんの学校の生徒みたい。


「ぉー、こんにちは」




 パッ。

 全然離そうとしない平ちゃんに焦って、あたしから手を離すと、チラリ、と平ちゃんがこちらを見た。

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