Frozen Love
由綺の真っ白なコートに赤い花が浮かんでくる。


由綺は苦痛に顔を歪めると、意識を手放した。

その場に崩れ落ちる。


まるで、悪い夢でも見ているようだった。

頭がはっきりせず、体も動かない。



ひらり、ひらり、ひらり……。



あの日と同じように雪が舞っている。

真っ白な雪は由綺の体に、そして流れ出た血にとまり、真っ赤に染まっていく。


ひとり呆然と佇む俺をよそに、由綺は通りがかりの人間に発見され、救急車で病院に運ばれた。



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