Frozen Love



俺の父親は藤崎グループの会長。

けれど、両親とも本当の親じゃない。

実の父親は俺が2歳のときに事故で死んだ。

それで生活に困った実母は4歳のときに俺を捨てた。

家に置き去りにして……。


俺は待ってたんだ。

何日も、何日も……。

けれど帰って来なかった。

裏切られた。

幼心にもそう思った。

そのうち近所のおばさんが通報して警察に保護され、身寄りのない俺は孤児院に入れられた。


そこで俺は必死だった。

年下の子の面倒はよく見たし、小学校に入ってからは勉強だって頑張った。

また捨てられないようにするために……。


孤児院の大人たちは優しく接してくれたが、どこかで同情されているような気がして、本当に心を開くことができなかった。


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