Frozen Love
前を向くと由綺のお父さんが立っていた。


『すみません……』


ぽつりとつぶやいた俺の言葉にはっとして、由綺のお父さんは中に駆け込む。


由綺の異変に気づき、ナースコールをしたらしい。

看護師と医師が慌しくやってきた。


騒がしい室内とは反対にひっそりとした廊下に俺は一人立っている。


どうしてあの中に俺は入れないんだろう?

由綺があんなにも苦しんでるのにどうして俺は傍にいてやれないんだろう?


冷たい床にへたり込み、声を殺して泣いた。



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