Frozen Love
『…………』


言われた瞬間、頭を金槌で殴られたような衝撃がした。


「惨いことを言っているのは分かっている。

でもこれはあの子のためなんだ。

君に会うことであの子は苦しんでいる。

お願いです、わかってやってください……」


『待ってください。

……ひとつだけ教えてください。

由綺のあの発作の原因は何ですか?』


再び病室に入っていく由綺のお父さんの背中に問いかける。




「……過換気症候群だよ」


長い沈黙のあと、そう言って彼はドアをしっかりと閉めた。



過換気症候群。

過呼吸のことだ。



ねえ、由綺。

君はこんなにも君を苦しめた俺をきっと恨んでいるだろう。


『ごめん……』


ドアに向かってつぶやいた届かない言葉が、誰もいない廊下に悲しく響いた。


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