鉄壁魔王と勇者
その身を汚(ケガ)すのは、他者の命の雫でなければ。

いや、他者のモノでも許し難い。

魔王は、ジラルの絶対者の位置を得ていた。それは、魔王が知り得ない内に。

(しかし、私が此処まで思うようになるとは…昔の自分からすると、考えられませんね…)

キィン!

高く響いた音が、ジラルの思考を遮った。
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