今宵の月は美しい【完】
反省すること、なにもないよ…。

うん、と頷き、私は生徒指導室を出た。


扉を閉める時、イケメンは椅子の背でVサインをこちらに向けていた。

もしかして、私が中鉢に怒られていると思って、助けてくれたつもりなのか…?


でも話した事もないんだよな…。
謎だ。

イケメンは、いつも可愛い女子をとっかえひっかえ侍らせているし、私みたいなブスを構う暇は、ないはずなのだが。

あ、可愛い子とか美人に飽きたとか?

…、謎すぎる。



驚いて乾いた喉に残るのは、ニコチンの薄い苦み。

手の甲で唇を拭おうとして、やめた。

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