今宵の月は美しい【完】
「ちゃんと会いたいから、予定がないならおいで」

「それじゃ、付き合ってるみたいじゃん?」

中鉢はキョトンとした。

「え?…付き合って、ないの?」

「!!??」

「最初の日に、そういう話になったんじゃ…?」

あんなの誤魔化しだと思ってたよ!

あなたは責任感から、仕方なく私を保護してるんだと思ってたよ!

私だけ好きで馬鹿みたいじゃん!って、思ってたよ!

「おまえ付き合ってないのに、…ああ言うことするなよ!させるなよ!」

そして怒りだした。

そうですか、それも私が悪いですか。
悩んでて、馬鹿みたいだった。


だって中鉢が、ちゃんと好きだとか言わないからいけないんじゃん?

メールするのだって、なんか悪いと思って我慢してたのに!

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