今宵の月は美しい【完】

※scene7『純愛だもの』

教室に戻ったら、灯りがまだついていた。

「ヨリちゃんおかえりっ」

振り向いた陣野さんは少女小説を閉じ、私の机に駆け寄って来た。

「た、ただいま?」

「平気だった?
いっぱい怒られちゃったの?」

いやいや、イチャイチャしてきたんです。

…しかしそれは言えません。

「いや、そんなでも…。
え、待っててくれたの陣野さん」

「うん、なんか心配で…。
先生なんて?」

声かけちゃったから、悪いことしてしまった。

大人しい陣野さんが、自ら私に関わりを持とうとしてくれるなんて思いもよらず、私はちょっと嬉しかった。

「え、チューバチは別に。
待っててくれてありがとー!」

「いいよ、友達じゃない」

「!?」

そうだったんですか!?

お茶飲んでたら、私間違いなく吹きました。

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