愛してるって呟いて
第1章

ラブレター



「なんのつもり?」


あたしの手には

真っ白の封筒


「なんのって…、見りゃ分かんだろ」


腕を組んで偉そうに立つそいつ


「分かんないから聞いているのよ。なんのつもり?」


もう一度聞く


「だから…ラブレターだよ」


返ってきたのはとんでもない返事


「文芸の吉田ってヤツから、それ渡せって頼まれた」


めんどくさそうにあたしの手の中の真っ白の封筒を見て、ポケットから煙草を出す


「なんで自分で渡さないのかしらね」


ため息を吐いて、封筒を開ける


「俺だったら100%受けとるっていう自信があいつにはあるらしい」


目を細めて笑うそいつ


「意味ないじゃない」


またため息を吐く


< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop