かちのかち
新人
通達
酒田のインカムに東海林の声が響いた。
『酒田だ、何か用か?』
『第2対策支部の桂野大佐から直々に通達がありました。』
酒田は天を仰いだ。
どうやら嫌な予感が的中したようだ。
『………内容は?』
『本日付で大極高校特務科を第2対策支部特務隊に編入するとのことでした。』
『そうか……了解した。』
空はさっきまでの赤さが嘘だったかのように真っ黒になっていた。
「今日は月も見えんな…」