私だけの王子さま
第9章 突然の別れ

登校日



―――ガラッ!


3日後、遅刻ギリギリで久しぶりに教室のドアを開けると、真っ先に麻智の声が聞こえて来た。


「柚季!おはよ〜」


「おはよ、相変わらず朝から元気だね」


私たちは、幼なじみと言えども、一緒に学校へ行くことは滅多にない。


麻智は、私の寝起きが悪いことを知っているから、いつも先に行ってしまうのだ。



私は何人かの友だちとも挨拶を交わし、自分の席に荷物を置きながら、目で委員長のことを捜した。


…いた。


窓際の前から三番目。


そこには、前の席の男子と仲が良さそうに談笑している委員長の姿があった。


しばらく見ていると、委員長は視線を感じたのか、後ろを振り向いた。


私の心臓は、それだけで高鳴っている。



委員長と話すようになったのは、夏休みに入ってからだったため、教室で会うのは初めてだった。


私の姿を確認し、ゆっくりと歩み寄って来る委員長。



「相原、おはよ」


「あ…おはよう…」



そんな私たちの姿を、麻智だけが、怪しい笑顔を向けながら見ていた。




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