アクオー
「春ちゃん、コーヒーおごってよ」

トミーは僕を”春ちゃん”と呼ぶ。
その呼び方は、母と同じだった。

「いいよ。どれにする?」

自販機に百円玉を放り込むと、トミーは迷わず赤いラベルの缶コーヒーを選んだ。

「私、赤が好きなの」

ガコンとコーヒーが落ちる音と同時に、遠くからサイレンの音が聞こえ始めた。

「急いで行っちゃ駄目。一服してから見に行こうね」
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