Monsoon Town
ひまわりは深呼吸をすると、
「陣内さんが幸せになったら、陣内さんは笑ってくれる――そう思って、星にお願いしたんです」
と、涙をこぼしながら言った。

「――陣内さん…お母さんの代わりに、わたしがそばにいてもいいですか?」

ひまわりが言った。

「1人にしません。

ずっと、ずっと、陣内さんのそばにいます。

ただ1人、陣内さんを…」

気がつけば、陣内はひまわりを抱きしめていた。

「――陣内さん…?」

抱きしめてきた陣内に、ひまわりが戸惑ったのがわかった。

だけど、陣内は離さないように、強く強くひまわりを抱きしめた。

いつの間にか、彼女に恋をしていた。

いつの間にか、彼女を好きになっていた。

気がつけば…心の中には母親ではなく、彼女がいた。
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