Monsoon Town
「いきなりで、悪かった」

そう言った陣内に、
「嬉しいです」

ひまわりは首を横に振って答えた。

「むしろ、こんなプロポーズもあるんだなって思いました」

笑いながらそう言ったひまわりに、陣内の心も和んだのがわかった。

ふと前の方に視線を向けると、そこに花屋があった。

「ひまわり、少し待ってくれ」

「えっ…ああ、はい」

ひまわりが返事をしたのを確認すると、陣内は花屋に向かって走って行った。

数分後、陣内が1輪の花を手に戻ってきた。

「はい」

陣内がひまわりの前にそれを差し出した。

黄色いガーベラの花だった。
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