恋して、チェリー

‐‐‐‐女のコ色の妄想



いつもの授業風景に、世界史のナマズの授業。

……あ、ナマズってのは先生のあだ名で。

どことなくふっくりとした顔は、どこかフニャリと力の抜けるナマズのような顔をしてるってワケ。



そして、いつもの風景……?



文字がビッシリと並んだ中に浮かぶ白黒の写真。

教科書に載っているソレは、おそらく歴史上、重要な人物。


その名前を読むより先にあたしは窓の外に視線を馳せた。



明らかかったるそうにトラックを走る男子ご一行サマ。




……ふと、その中に。



――見つけてしまったんだ、

あたしの記憶の中に曖昧に残ったままの黒髪を。


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