私の旦那様
新しい担任
「エリザお嬢様、おはようございます」

メイドの木崎に起こされて、眠い目をこする。

「おはよう…」

手渡しされた制服を、私は掴んで袖を通した。

「あれ?ボタン無くしたはずなのに、付いてる」

昨日、引っ掛けてボタンを無くてしまった私。

「はい…私が付けさせて頂きました」
木崎は、ペコリと頭を低く下げて答える。

「ありがとう、木崎…助かったわ。私、ドジだから」

ふふっ…と笑うと、木崎は眉毛を寄せて不服そうに答える。

「そんなことありません。」


「ありがとう」

着替えを済ますと、大きな鏡の前にある椅子に腰掛けた。

木崎は、櫛で丁寧にとかしていく。
「終わりました…」


立ち上がり、ドアに進んで行く。
少しだけ重たいドアを開けると、執事の東堂が廊下を歩いていた。


「東堂、おはよう」
会釈をすると、東堂も会釈をした。

「おはようございます、エリザお嬢様」

お食事の準備は整っていますよ…との声に促されて、私はリビングへ向かった。

「ゆっくり、眠れましたかな?」

「えぇ…」
コクンと頷くと、ニッコリ微笑んでいた。



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