運命の糸
【それぞれの糸ー最終話】


「さて…

俺はもう行くぜ…
墓参りがあるんでな。

…あばよ」





そう言い
螢はこの場を去っていく。





「偶然が生んだ
出会いだったな~~

そんじゃ。
国家警察試験も
間もないし
帰って勉強するよ」





白井はまたね♪っと
背を向けながら
手を振り去って行った。





「俺も彼女に会いに
今日約束してるんだ。

この前の土曜日は
さすがに島から帰って来て
疲れちゃからね…

んじゃ」





朋樹は千里に会う為に、
急いで駅まで走って行った。





残されたのは2人…





礼子は遠くに居る鳩に
小石をぶつけながら答えた。





「あたしは
よくCMで流れてる
三光っていう会社に
イタズラ電話する為に
もう帰らなきゃ。

さて、
なんてクレーム
言おうかな★」





スキップをして
礼子は遠くに行ってしまう。





そして……





取り残されたのは
祐平1人だけ。






祐平は
その場を後にすると
公園の出口へ歩いて行く





この大きな公園は
出口がいくつかある…






一人一人
誰も出口が被る事はなく、

同じ方向は進まず
別々の道から出て行く。





こうして
それぞれが
また新しい人生を
歩んでいった…






みんな…


誰もが…


必ず物語を持っている…





そんな一つの物語達が
偶然を呼び絡み合い
全く別の
新しい物語を生み出す…





それが今一度ほどけ
また別々の道へと
戻ってゆく。





どんな人でも
必ずある人生の物語。





それを当たり前思わず
『自分だけの物語』と

糸を紡ぐ事と
織り成すだろう











    END   

    ご愛読   
ありがとうございました
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