【完】甘いカラダ苦いココロ

夢の終わり


 ずっと、会いたかった彼がそこにいた。

 白い半袖シャツに緩く締めた赤と紺のネクタイ。長い脚で無難なグレーのパンツを履きこなしている。翔梧の学生服姿は初めて見るけど、違和感なく似合っていて本当に高校生なんだな。と胸の奥が鈍く痛んだ。

 髪が全体に少し伸びていた。斜めに流された前髪、後ろ髪が緩く跳ねるようにうなじを隠す。

 制服では隠しきれない色香が漂っていて、また少し大人っぽくなったように見えた。

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