REAL HOPE Ⅰ



外はあっという間に暗くなっていて


気が付けば時刻は日付が変わろうとしていた。



私は立ち上がると、そっとシャッターわきの扉から表へでた。



入口のわきには木で作られたベンチがあって

私はそこの静かに座って携帯を開く。




携帯の画面には、待ち受け画面の時計がただ動いている



「はぁ……」



白い息が私の顔をおおった。




「ハッピーバースデー私…………」



本当はそんな事思ってない。私が生まれてきてハッピーな事なんて何一つない



きっと今日が私の誕生日だと知っている人は世の中にいるのだろうか




親だって私の誕生日なんか覚えていないのに…


16年前にこの世に生まれてこなければ


私はこんな寂しい人生なんて知らなくてすんだのに





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