REAL HOPE Ⅰ



永遠と伸びゆく黒と紺の景色は



海と空の境界線を分からなくさせている




街がクリスマスだなんて思えないほど

ここには波だけの音が響きわっていた……




「なぁ、」





「なに?」



寒さで少しだけかすれる私の声




「人は一人じゃ生きていけねぇ」



は?なに言ってんだと思ったのは一瞬で


レツはさっきの私の言葉を聞いていたんだとすぐに分かった……



そんなの知ってる。

痛いくらい知ってるよ




「初めは生きてる事に意味なんてねぇんだ。それはこれから自分で見付けてくからだ」



真っ直ぐに海を見て話すレツの横顔が何だか凄く私の心をキリキリとさせた



「お前は独りなんかじゃねぇ。俺だって、あいつらだっている」




そう言ったレツの目線の先には、バカみたいに楽しそうにはしゃいでいる風神メンバー




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