夏の夢・夏の香り・私のトナリ
……しばらくして、私達はマール星に到着した…。


宇宙船から降りると懐かしい風景が、私の目の前に飛び込んでくる。


空気が澄んでいて美味しい…。
地球人の住む所では、身体に悪い排気ガスの出るクルマが走っているので、正直言って私の身体には合わなかった。


このマール星では、クルマと似たような乗り物はあるものの、排気ガスなどは一切出ない。



家に辿り着くと、母が玄関から顔を出した。

「メルちゃん、お帰りなさい」
いつもと変わらない笑顔。

「ただいま、お母様」


リビングへと入り、椅子に座った。
母は台所へと向かい、コーンスープを持って戻ってきた。

「熱いから、気をつけてね」

「ありがとう…」


私は、ゆっくりと口に含んだ。
胃の中から、だんだん身体が暖まるのが分かる。


「ママ〜…トイレ…」
眠い目をこすりながら、リビングへ来たのは、息子のリーバだった。


「あ…メルお姉ちゃん、帰って来たんだね」

私を見つけると、パタパタと走り寄ってくる。

「ただいま…」

「ほら…リーバ、トイレ行くんでしょ?」



母に促されて、リーバはトイレへと向かって行った…。
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