中途半端なオトコマエ!
ルミの説教は続いた。

強い者に媚び、弱き者をやっつける、ってのがルミのやり方なんだろうな。

ルミは、話ながら自分の言葉に酔って、ヒート・アップしてきたようだ。


「だめよ。もっと、一途にならなくっちゃ」

「君にそんなこと、言われたくないよ」

ルミのどこが一途だというんだ。

「あたしは、すごく一途だもんね」

「まあ、男の扱いに関しては一途にうまいよな」

もう、オレは自分でも何を言っているか、意味がわからない。

美沙は、だまってオレとルミを代わる代わる見ていた。


「もう、いいわ。ジュースも飲んだし、じゃ、お邪魔しました。あたし、帰る」

ルミがそういうと、

「あ、待って。わたしも帰ります」

美沙は立ち上がった。

「志研さん、ありがとう。頑張って。あきらめないで。でも……志研さんの人生だから、志研さんが決めてね。じゃ」

深々とお辞儀をして、ルミよりも先に帰っていった。









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