ユータナジー

ダメ元で、告白する女子は多いのだと…なにかで聞いた事がある。

流石、先輩。

と呆れて笑ってしまうくらい、先輩の周りには人が多かった。

逃げるようにその人混みの中から抜け出して、校舎の外へ出た。


「あ、琥珀ちゃん。」

と声がかかったのは、既に聞き慣れた声。

三枝さんの方を向けば、寺島先輩も一緒にいる。

「ご卒業、おめでとうございます。」

丁寧に二人に頭を下げると「ありがとうございます。」と返事が来た。

「三枝さん達は…花束ないんですか?」

さっきの先輩を思い浮かべて、質問する。



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