エピソード・ホワイト
一国の姫として生まれて
「the age of civil war」より、17年前の夏。
ホワイトはここ、ウィンダム国現王夫妻の初めての子どもとして誕生する。肌が透き通るように白く、目がくっきりと綺麗で、二人はとても喜んだようだ。
「よしっ、この子の名前はホワイトにしよう!肌も白く美しいし、純粋で汚れのない、まっすぐな子になれるようにだ!」
王は赤子をしっかりと抱きしめ、眠っている赤子を見つめ言った。
「素敵な名前…きっと素敵な王女となれますわ。」
出産で疲れきった王妃は、ベッドに横たわったままとても喜ぶ王の姿に笑みを浮かべていた。
~ホワイト王女誕生~
王女の誕生は、国中を上げての祝い事となった。国中からお祝いの品が届き、ウィンダム城内ではまだ赤子である王女に謁見できる時間というものができ、誰でも城の中に入れる時間を作った。これはホワイトの体調次第だし、ミルクを欲しがれば早く切り上げられたりもした。しかし、皆が城に詰め寄りすぎて、1日の人数制限をするようになる。
城下では毎日お祭り騒ぎだった。ホワイト王女誕生セールが開かれたり、毎日が飲めや踊れや。これは1ヶ月の間続いた。王家がそのためのお金を国民に払ったので、仕事も商人以外は休みが多い。町中が大騒ぎだ。平和であった。
ホワイトが生まれた事を国中の人間達が喜んだ。ホワイトが初めて離乳食を食べた、ハイハイをした、歩いた…一つ一つが城下町にまで影響を与えたのだ。ホワイトの姿を見れば、皆が笑顔になった。
喜びは続くものだ。
王妃は早くも二人目を妊娠する。しかし、ホワイトの成長を毎日毎日喜んでくれている国民達に、余計な心配をかけまいと生まれるまでは妊娠を隠した。お腹が出てきた頃から外には姿を見せず、王とホワイトの二人が謁見を許した。
ホワイトは無邪気に笑っていた。人見知りもあるだろうと思ったが、すでに王家としての立場をわかっているのか、いつもニコニコ笑顔である。
一年後の誕生日を盛大に祝い、2日後、二人目アリアは誕生する。
国民達は驚いた。姿を見せなかったのは病気だと噂だったからだ。それが、二人目の誕生。また皆が国をあげて大喜びをした。一年前のごとくである。
ホワイトとアリア。小さい頃はやはり、体格や言葉、行動に大きな差があったが、もう少し大きくなりだすと、本当に双子のようであった。
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