そして私は貴方を殺した
別に何もないときに、私が少しでもいつもと違っているとすぐ『どうした?』と聞いてくる。

『貴方に疲れたの』なんて言えない私は『何もない』の一点張り。

きっと‥‥私は彼を愛しているんじゃない。
依存しきっているだけ。

『なぁ、美咲。
ちょっとドライブに行かねぇ?』

いつも私が断ったら不機嫌になる勇気。
不機嫌になるくらいなら、最初から聞かなければいいのに。
もし不機嫌にならなくても行こうよ、とやかましい。

『うん‥‥
いいよ』

そう答えると上機嫌にキーケースを取り着替えを始める。
私もスウェットからシャツとジーパンというラフな格好になり勇気と家を出た。

『適当にブラブラすっか♪』

不機嫌じゃないときや、怒っていないときの勇気は大好きだ。
だって‥ずっと笑顔で私を愛してくれる。

きっとこんな関係に私は依存してしまったのだろう。
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