そして私は貴方を殺した
『あ、夜景でも見に行くか!』

勇気はニコッと微笑みながら言った。

女の皆が皆、夜景に連れていくと喜ぶとでも思っているのだろうか?
私的には夜景なんてどうでもいい。

『そうだね』

だけど私は同じ様にニコッと微笑んだ。
不機嫌になられたら、ややこしいから。

私の返事と共に車は発進しだした。

夜景のどこがいいんだろう?
人工的な光りを上から見るだけなのに。
ただ、やはり地上は汚い、と思わせるだけの光り。
車の赤いテールランプが次々に動き何かの黄色い光りがチカチカとしているだけ。
そんな景色を見て何が楽しいのだろうか‥。

恋歌が一回りした頃、勇気の運転する車が夜景のスポットへと到着した。

『見ろよ美咲!
綺麗だな♪』

勇気は何故か嬉しそうだった。

『‥‥‥‥そうだね』




やっぱり景色は錆び付いていた。



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