黒雲




「光。」



美雨の変化に戸惑っていると、名前を呼ばれた。





『…舞。』


「どこいくの?」


『関係ないだろ…』


そうか変化の原因はこれか


「あたし、光に教えたい事があるの。」



『聞くつもりはない』



「いいじゃない。…美雨さんの事よ」





美雨の手が…

温度が…どんどん冷たくなっていく



『行こう美雨。』


「ちょ、ちょっと!」





まだ何か言いたそうな舞を無視して歩きだした





美雨の手をギュッと握り返した



『…大丈夫?』




『うん』




『ごめん…俺のせいで、嫌な思いさせて』



『…ううん。光のせいじゃないわ』



『よーし!なんか甘い物食べる?』



『フッ、じゃあチョコレートパフェ!』



やっと美雨が笑った



この時、俺らはこれから起こる事も知らずに


ただ、ただ笑っていた。 






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