お届けもの



(ピンポン〜)




(ガチャッ…)


「憲ちゃん、早かったね…っ?!」



出てきた美雨を見て、
俺は固まった…。


そこに立っている美雨は、いつもとは全く違っていたからだ。




『……。』


「…光?大丈夫?」


『…ハッ。あ、配達…』


「クスクス、とりあえず部屋に運んで?」


『あ、うん!おじゃまします』



机と椅子を言われた場所にセッティングしている間も美雨から目が離せなかった…



「ん?」



『イヤ…いつもとは感じが』


そう…

目の前にいる美雨はいつものスタイルではなく、

柔らかそうな生地で出来た淡いブルーのロングワンピースに、白いカーディガンを羽織りメガネをかけていた。


「あぁ、ゴメンね。
てっきり憲ちゃんが来ると思ってたから部屋着のままで…。」



『いつもはコンタクト?』



「うん。

…光、すぐ店に戻るの?」


『イヤ!この配達で今日は終わり!暇!』



そこまで言って、顔が赤くなった


何を期待しているんだ…

俺は…


「クスクス。
…もし良かったら、
お茶でも飲みませんか?」











< 50 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop