second〜切ない恋の物語〜
[17]彼女と私
いつもの大学のラウンジ。

奈津美は悲しそうな顔で私を見ていた。

「莉奈、あんた大丈夫なの?」

「何が?」

「辛いんでしょ?」

「…」



今までの経緯を奈津美に話ていた。

確かにここ何日か、知りたくない話を耳にしたせいか、

私は、元気を少し無くしていた。

「ちゃんと腹割って話をしてみたら?」

「ダメ。」

「何で?」

「私の本心を話したら、嫌われるかもしれないから。」

「莉奈、今あんたは相手にとって都合のいい女だよ。」

「…分かってる。」

「他のバイトにも手を出してるだなんて、遊び人じゃん。」

「…分かってるよ。」

「彼女と結婚するんじゃん。莉奈は、振られるのを待つの?」


思っている事、考えている事を人から言われると堪える。

自然と涙が頬をつたる。


「怖いの。」

「え?」

「本心を言って、うざがられて、嫌われて、捨てられる、それが怖いの。」

「莉奈…。」


私は周りも気にせず、思いきり泣いた。

ずっと溜まっていたモヤモヤな気持ちが涙になって、

私から離れていく。
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