マカロン
ふたり
私とコウタがつきあい始めたのは、高一の秋、学園祭の時である。

高校に入学して新しいクラスで、私はコウタに一目惚れした。

背が高くて、ちょっとキツい感じで、あまりしゃべらなくて、最高にかっこいいと思った。

でも、コウタはほんとに愛想がないから(特に女子に)話しかけるなんてできなかった。

コウタに目を付けた同じクラスや違うクラスの女の子たちが、コウタにメアドを聞いても、

「俺、ケータイもってないから」
と一言でことわっていた。

ホントはお母さんとの連絡用にもってたんだけど、

「学校にいるときに連絡なんかしてこない。」っていつも家に置いてあったみたいだ。

「それは、家の電話と何が違う?」って友達につっこまれていた。
< 49 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop