青いリスト
イジメについて
私は田舎の貧しい家庭で育った。当時は一軒家が当たり前だった。私の家は六畳二間だけのきわめて古い2階建てのアパートに家族5人で住んでいた。
中学に入るまでは、家の大きさや貧しい事にコンプレックスはなかった。
だから中学に入ると、これがイジメの原因になるとは思うはずもなかった。
[貧乏や]
[アパート、アパート]
[金くれよ、貧乏違うんやろ?じゃー金くれよ]
[制服ボロボロにしてもお前は金持ちやからすぐに買ってもらえるわな]
一体どこでこんな皮肉を覚えたのが不思議なくらいだ…
私は激しく自分の境遇に劣等感を持つようになった。
私は親に問いただした。
[家買ってよ、なんでうちだけ貧乏なんよ?]
その時の親の悲しそうな表情は今でも鮮明に残っている。
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