先生…ごめん、愛してる。【完】
  

 羚音は、カギを受け取って出かけて行く。

 羚音は、自分が“何故愛されなかった”のかを知りに向かう。

 更なる事実が待つとも知らず。


「ふぅ…」


 羚音は、ドア前で深呼吸をして中に入る。

 部屋の中は、出て行った時のままだった。

 息が詰まる程の圧迫感が残っていた。


「…ふぅ。」


 羚音は、窓を開けて空気を入れ換えた。 カーテンが揺れる。


「初めて入る。」


 羚音は、言って母親の部屋に入った。 ゆっくり足を踏み入れる。


「…日記……日記を見つけなきゃ。」


  
< 153 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop