先生…ごめん、愛してる。【完】
  

 羚音は、待っていた。


「ねぇ、君。」


 久しぶりに聞いた誘いの声だった。


「君、いくら?」


「25。」


 羚音は、からかってあげる事にした。


「高いなぁ。」


 男は、言いながら羚音を見る。


「イヤならごめんなさい。今、お金に困ってるから。」


 羚音は、男が下がるように答えた。


「安くならない?」


「じゃあ…15。」


「いやあ…もう少し。」


「10なら?」


「乗った。」


 男が言って羚音の手を取ろうとした時だった。



 あなたを見つけました。
 こんな人が溢れた世界で…


  
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