ブルー・フィールド

市民水泳大会


 海水浴を終え、翌日からはいつもの夏休み、部活の日々が始まる。

 次に控えるのは市民水泳大会。

 とはいえ、大会という名称がついているだけの大会。

 まあ大会とつければ何でも大会になる、と言った方がいいのか。

 今回の市民水泳大会、特にタイムを競うための大会ではなく、水泳を通じて健全な精神と肉体を鍛えよう、といった、高野連が聞いたら否応なく協賛してテレビ放映されそうな目的である。

 参加対象は市内に住む市民で、下は小学生から上は60歳まで。

 当然、誰でもとはいえ、何でもかんでも受け入れていれば膨大な人数になりかねないので、標準記録は設定されているが、それも相当甘い。

 水泳部に入っていなくても、それなりに泳げる人なら参加できる。とはいえ、大会の存在自体知らないだろうから、ほとんどが水泳経験者だが。

 市民であれば、という枠組みなので、中学高校で部活に入っていない人達、スイミングスクール通いの生徒たちも参加できる。

 しかし、逆に言うと高校の部活に入っていても、市民以外は参加できない、という規制もかかっている。

 市内の高校でも市外から通う部員は対象外となる。

 うちの水泳部では電車組の7人、俺と村山、二年生では兄北田と井上先輩の4人。女子では由美、瀬戸先輩と三村先輩の3人。それと電車通学ではないが伊藤部長も市内になる。

 のはずだったが。

「妹北田もでるのか?」

「うん、一応タイムは出るから、たまにはいいかな、と」

 たまにとかなんだよ。とはいえ、大会趣旨からいえば別に出ることに問題はないが。

「じゃあ、あーちゃんは?」

「あーちゃんには無理だよ。だって100m泳げないもんね」

 由美には悪気はないのであろう、いたって普通に言っているが、言われたあーちゃんは、恥かしいのか照れ隠しなのか、ぷくっと頬を膨らませるような怒り顔、なんだが、いつも膨れてるから判別つけにくい。

「そんなに膨れてないから!」

 おっと、俺の視線はいつも読まれることを忘れていた。
 

 
< 301 / 301 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop