ねぇ、笑って。

「お前さぁ、いい加減にしろよ。どんだけ付きまとうんだよ。」



俺がどんなに冷たくあしらっても、千鶴は気にしない。どんどん話しかける。





「宿題はP.20でしたよね!私、一箇所どうしてもわからないところがありました。海ヶ崎君はわかりましたか?」



こいつは、俺が学年主席の成績と知ってかいつもこう聞いてくる。




まるで本当の友達のように。



実際は、ただのうざいやつなのに。



「うるせぇっ!いちいち話しかけんじゃねぇ!消えろ!」



どんなに卑劣な言葉を浴びせようが、お前は泣かないし、ついてくる。








なぁ、何でだよ。俺自身が欲しいんじゃないんだから、傍にくんなよ…。



 
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