SEASONS

──雰囲気に流されてキスしそうになったあの日。


“どうかしたのかい?”って警備員さんに声をかけられて我に返った。



そりゃそうだよね。

薄暗い図書室で、一人で床に座り込んでたら心配もされるよね。


あたしは慌てて立ち上がってその場を取り繕った。


切れた手に手当ても何もしていないことを思い出したのは、職員室から昇降口へ歩いてる時だった。


だけど、先に帰るって言ってたからもう校舎内にはいないだろうし、それに、あたしは携帯の番号もアドレスも知らない。



気にはなったけど、あたしにはそれ以上どうすることも出来なかった。

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