いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「…るせぇ。丸聞こえ」

すぐ横にある教室の扉がガラガラッと開き、ひどく冷たくて恐ろしい声が聞こえてきた。


その声に顔を上げると…。

ええっ!?久世玲人!?



「久世君!?」

「うそでしょ!?」

同じく、彼女たちも驚愕している。

話題の中心であった彼が登場した途端、さっきまで強気に責めていた彼女たちが、顔を青くしたり赤くしたり、忙しく表情を変えている。


「久世君、何でここに…!?」

私も驚きを隠せないまま、不機嫌極まりない表情をしている久世玲人に聞いた。


「ここ、オレのクラス」

後ろから健司がひょこっと顔をのぞかせ、ニコニコと楽しそうに、久世玲人の代わりに答えてくれた。


「おもしれーのが聞けたな」と、その後ろで泰造と陽の姿も見える。

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