いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
久世玲人もとっくに起きていたようで、私が起きるまで大人しく待っていたよう。すっかり逆転状態だ。起こしてくれればいいものを…。

しかも、あろうことか久世玲人は私の腰に腕を回し、がっちりと支えていた。


その光景に心臓が飛び出るほどビックリして飛び起き、「何するの!?」と責めてみたものの、「もたれ掛かってきたのは菜都だろ」と、あっさり言い負かされてしまった。


確かに、無意識とはいえ、久世玲人の肩を借りて寝てしまった私の神経の図太さも問題あったけど、なにも、こ、腰まで持たなくても…。


そう訴えてみたけど、無視したかったのかフイッと目をそらされたので、それ以上突っ込むことができなかった。



というわけで、久世玲人とのお出かけは、一緒にご飯を食べて寝た、というものでしかない。


これ、デートっていえないでしょ…。

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