いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「てめえら…何してんだよ」

「お、玲人!なっちゃんここにいるぞー!」

噂の張本人の登場に、3人はさらに盛り上がっている。不機嫌な久世玲人に焦っている様子も全くない。


久世玲人は3人に笑顔を返すこともなく、しかめっ面のままこちらに歩み寄ってきた。


……全っ然機嫌良くないじゃん…。さっき、この人たち「玲人が機嫌よかった」って言ってたよね?



ムスッとしている久世玲人と目が合ったが、その視線はすぐ3人に戻された。


「お前ら、あんまり菜都をいじめんな」

そう言いながら3人をシッシと払い、私の手を引いてこの輪から救い出してくれる。


「いじめてたわけじゃねえよ!」

「そうそう!ちょっとお話ししてただけだって!」

明るい口調のまま色々と言い訳をする3人を、久世玲人はギロリと鋭い目で睨む。


「行くぞ、菜都」

おそらく、この3人には何を言ってもムダだと思っているんだろう。

久世玲人は私の手を引き、この場からさっさと立ち去ろうとした。

もちろん私も3人と一緒に残されたくはないので、大人しく付いて行った。


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