いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
ブンブン!と思いっきり振り払うように手を離すと、久世玲人が眉をしかめながら私を見下ろしてきた。

「……払いすぎだろ」

「だ、だって…!!ここ、教室っ!!」

顔を真っ赤にさせながら、慌てて久世玲人から離れた。


「じゃっ!!」

クラスの皆を見る勇気がない!!

そのまますぐ1番前の自分の席に向かった。久世玲人も特に何も言わず自分の席について、早速机に突っ伏し寝る体勢に入っている。


……ハートが強いな。この状況でもう寝れるんだ。すごい…。


若干呆れた視線を向けて私も席につくと、ちょうど登校してきた佐山君がやってきた。


「おはよ、佐山さん。……どうしたの?顔が少し赤いけど…」

「い、いや…!!何でもないよ!!」

今登校してきた佐山君は、先ほどの私たちの様子を知らないので、不思議そうに話し掛けてくる。

焦りながら、何でもないと否定すると、「そう?」と不思議そうながらも爽やかな笑顔が返ってきた。

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