いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「痛い?ごめんね?」

これだけ傷付いてれば、痛いはずだよね…。


「目元も切れてるから、ちょっとつむってて」

目の中に消毒液が入ってしまうと大変だ。

それは久世玲人も分かってるみたいで、大人しく目を閉じてくれた。



「…って」

「痛い?でも、ちょっと我慢してて」

なるべく刺激を与えないように、慎重に、そーっと消毒を塗っていった。



それにしても…。

目を閉じてくれているおかげで、遠慮なくまじまじと久世玲人の顔を見てしまう。

ほんと、男前だな…。

鋭い目つきも今はないせいで、余計に美形さが際立っている。


こんなに傷作っちゃって…。端正な顔が台無しだな…。


もったいない。



< 92 / 446 >

この作品をシェア

pagetop