同居から始まる恋もある!?
Summer #5





『……いかないで』


裾が引っ張られるのに、後ろを振り返れなかった。

小さな嗚咽は聞こえない振りをした。


さよならなんて大袈裟だ。
俺はただ、こんなかっこ悪いところを見られたくなかっただけ。


いつだって、きみのまえでは負けなしのヒーローでありたかったから。


< 52 / 173 >

この作品をシェア

pagetop