同居から始まる恋もある!?

「ねえ、ちょっと、サチ?」

「この名刺……」


声が、少しだけ震えた。

わたしは、酷く打ちのめされたような、そんな気持ちで胸が苦しくなる。
窒息しそう。

わたしが、この店を知ってるかって。
そもそも、Bar ロッカバラッド?バーテンダーの深山芹生?なにそれ。そんなの一言も聞いてない。


何も知らない。
なぜ、一緒に住んでるわたしじゃなくて、美帆が知っているの。

これは、兄に彼女が出来て嫉妬をする妹の感情?わたしは、努めて冷静に自分に問う。

その答えは――


「朝ね、かなり運命的な偶然で、芹生さんにばったり会ったのよ」
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