恋嘘

懐かしき人物



「バス来た。」


あたしはそういいバスに乗った。


龍もあたしを追うようにバスに乗った。


バスに乗ると見慣れた顔の人がいた。


(他人の空似か…)

あたしはその人の横を素通りした。


ぐいっ!!!

勢い良くあたしの腕を掴む。

「!?誰何ですか…」

あたしは手を引っ張った人に聞いた。

「…ひどいなぁw俺だよ!野々垣颯!」

「嘘!!ちょー久しぶり!会いたかった………」


あたしは颯くんに抱き着いた。

「ふふw久しぶりだな」

あたしの頭を優しく撫でる。

大好きな…大好きな人が私の前にいる。

大好きな人があたしと同じ匂いが漂う。

大好きな人の腕の中は暖かい。

ずっといたい…

そう思う。


「あ、龍も居たのか。久しぶりだな!」

颯くんは龍に気づき挨拶をする。

「久しぶりっすね。」

龍が素っ気ない返事をする。

龍は笑っていなかった。

「そう言えば颯くん何でスーツ着てるの?」


あたしは聞いた。

まだ何でここにいるかも聞きたかったけど。

「ちょっとねぇ(笑)」

ふふ。っと笑う颯くん。

颯くんに会えて嬉しいからもうどうでもいいとか思った。

「あ、あたしらここで降ります!!!」


バスの運転手に言いあたしと龍は降りる。

「バイバイ颯くん!」


そう言ったら颯くんはにこやかに笑った。
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