きみといつまでもいたい
リーダー坂本を先頭に、群れが二人を取り囲むように引き返してきた。
坂本は海工の三年。
喧嘩に明け暮れ二年留年しているので、歳は十九。
押しも押されぬ、この地区一帯のボス的存在だった。
彼の兄はその二年先輩で、海工卒業と同時に浜島興行に入社した。
所謂、夜の街を取り仕切る裏組織だ。
裏組織とパイプが出来たことで坂本の傲慢さは助長された。
彼に逆らうことは、死をも意味する。
そんな錯覚を誰もが抱く存在になっていた。